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2020年新年賀詞交歓会 会長挨拶・来賓祝辞・会員生協新年の抱負

滋賀の生協 No.185(2020.2.14)

と き 2020年1月16日(木)午後5時30分より
ところ 琵琶湖ホテル「ローズ」
主 催 滋賀県生活協同組合連合会

 新年挨拶

学びあい・つながりあい・つたえあい
◆滋賀県生活協同組合連合会 会長 北川 紀子

2020年新年賀詞交歓会

皆さん、明けましておめでとうございます。
 昨年、滋賀県生協連では、新しい仲間が増え、正会員11、賛助会員4となりました。簡単に紹介をさせていただきます。
 生活の拠点となる住まい、地域をつくる勤労者住宅生協、人の住まいに、食品や日用品をお届けする地域生協が4つございます。コープしが、生活クラブ生協、しがまる生協、今回賛助会員として新しく加入いただきましたコープ自然派、災害が増える中、補償のことなら共済生協。さらに、いのちの平等、健康をアシストするしが健康医療生協。そして、県の施設では滋賀県職員生協がございます。主体者になる働き方を目指すワーカーズコープ。次世代を担う若者たちが集う大学生協では、滋賀大彦根、大津、そして滋賀県立大学、滋賀医科大学、立命館大学、龍谷大学。以上の一五団体で連合会を組織させていただいております。
 さて、昨年と言いますと、災害のことを避けて通れません。特に風水害、東日本では、多くの川が氾濫、決壊し、沢山の被害が出ました。温暖化も進み、台風は毎年勢力を増し、また進行速度も10kmほど遅くなり、雨風に曝される時間が長引き、さらに被害が拡大していくということが言われております。
 地球温暖化は、日本だけの問題ではなく、世界中でいろいろなことが起こっています。地球の酸素の三分の一をつくり出すという地域の森林が燃える。干ばつで一夜にして湖がなくなってしまう。そんなことが起こっています。朝起きたら琵琶湖の水が全然なくなっていたという状況を、みなさん想像できますか。
 昨年は消費税の増税がございました。国はお金がなければ税金を上げたら済むのかもしれませんが、家計は収入が増えないのにやりくりをしなければいけない。「本当に大変や」そんな話ばかりです。みなさん何を節約されていますか。庶民はカード払いでは破産しそうなんです。だから日々の生活は、現金で管理する。そうなると一番節約しやすいのは、ほとんど増税されていない食料品なんです。おかしいと思いませんか。これからますます貧困格差が拡大していくのではないかと思っております。
 一方で、国民みんなが元気になることもございました。ラグビーのワールドカップ。ご覧になられましたか。すごいですね。三歩進んで五十歩も百歩も下がるような中で、また突き進む。壁があるのがわかっていても突き進む。あの勇気、あの姿に感動を覚えて「がんばらなあかんな」という思いが湧き出しました。そして今年はオリンピックもございます。またみんなが元気になることを願っております。
 さて、滋賀県生協連では、「平和とよりよい生活のため」に活動を進めて参りました。
 特に「戦争の記憶をつなぐ会」では、戦争体験者の聞き取り活動が5年目を迎え、体験の声をまとめた冊子も、4巻目を刊行させていただきました。ただ、戦争を知らない私たちが、記憶ではなく、記録をもとにどのようにつなげていくのか。それが大きな課題となっております。
 2017年に国連で採択された「核兵器禁止条約」は、現在34カ国が批准し、核兵器の全面廃止と、根絶に向かって進んでおります。今年4月には核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議が開かれます。滋賀県生協連の会員生協からも、数人派遣されると聞いております。滋賀県生協連では、その方々に思いを携えようと、鶴をモチーフにしたストラップやイヤリングなどの作成に入りました。
 そして被爆者とともに進める「ヒバクシャ国際署名」は、全国で1050万筆を超えております。昨年8月5日に、私が署名活動をさせていただいていた時のことでございます。署名をしていただいている方から「こんなことをして何になるん?」と問い掛けられました。まさかそんなことを言われると思っていなかったので、一瞬頭が真っ白になって「どうしよう」と思ったんです。でも、私も滋賀県生協連会長という名前をもらっている以上は「きちっと答えなあかんな」と思って、「平和が続いてほしいんです。二度と悲しい思いをする人を作りたくないのです」というふうにお答えを返したのですけど、「あれでよかったんやろか」と、その後も思っていました。でも、理屈じゃないんですよね。生協の活動というのは、「見返りが欲しくて」とか、「お金が欲しくて」とか、「ノルマがある」とか、そんなことでやっているのではないのです。心とか、想いが体を動かすんです。
 滋賀県生協連は「学びあい・つながりあい・つたえあい」の3つの「あい」を大切にしながら、共育と、思いやりの心と、助け合いの精神で、共生社会の実現に向け、頑張っていきます。
 本日お越しのみなさまには、より一層のご指導、お力添えをお願いいたしまして、新年のあいさつとさせていただきます。今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。


 ご来賓の御挨拶

生まれ、育ち、つながる命に思いを巡らせて
◆参議院議員 嘉田 由紀子様

2020年新年賀詞交歓会

 北川会長様からはスカッとするご挨拶をいただきました。20万人近くの会員のみなさまのご意見をまとめ、生協連が活躍いただいていますことを、心から感謝を申し上げます。
 昨年7月のたいへんな激戦、みなさまからのご支援をいただきまして、国会へ送り込んでいただきましたことを改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
 私は知事2期8年の経験で、なんとしても国政でやりたいことが、2つあります。
 1つは、貧困の問題。特に子どもは7人に1人、高齢者は5人に1人、そして若い女性含めてシングルの3人に1人が貧困状態。もちろん自治体も頑張らなければいけないのですけど、これはもう税制の問題含めて、国政としてやるべきことだろうと思います。特に子供の貧困については、もちろんいろいろ事情はあるのでしょうが、今3組に1組が離婚をする時代になっております。その時の犠牲者は子どもです。経済的にも、精神的にも、社会的にも、子どもをサポートしなければいけません。ということで、民法や家庭裁判所などの法的整備も含め、国としてのサポート体制を確立するために、まずは法務委員会に入らせていただきました。
 もう1つは、災害の問題です。滋賀県では全国に先駆け「流域治水推進条例」を、県議会のみなさんとともにつくらせていただきました。事後対策はもちろん必要ですけれども、事前の予防的土地、建物利用、そして避難体制、ハード、ソフト両面から、国政の方で展開させていただきたいと思っております。
 生協連のみなさまが、くらしや平和をしっかりと支えていただいている。特に戦争の問題は大変大事です。知事の時代には「くらしの中の戦争」ということで、平和祈念館をつくらせていただきましたが、いのちが生まれ、育ち、そしてつながっていく、その巡り合いの中で、みなさんがご活躍いただいておられますことに感謝を申し上げまして、ご挨拶に代えさせていただきます。


 ご来賓の御挨拶

今年の二つのチャレンジ「気候変動」と「より良い生」
◆滋賀県 知事 三日月 大造様

2020年新年賀詞交歓会

 それぞれの地域で、それぞれの生協で、組合員のみなさま方や、それぞれの仲間のみなさま方のために、精力的に活動していただいていることに敬意を表し感謝申し上げたいと存じます。また、今年も「持続可能な共生社会」「健康しが」をつくるために、一緒に頑張っていきたいと思いますので、それぞれの分野、それぞれの地域で、またどうぞよろしくお願いいたします。
 今年は年明けに「二つのことにチャレンジしよう」と申し上げました。
 一つ目は、気候変動が心配です。災害面にも表れてきているのではないか。琵琶湖の全層循環も起こらなかった。今年も雪がない。世界では若者が声を挙げ始めている。やはり滋賀県も、いや滋賀県から動いていかなければならないのではないかということで、「 しがCO2ネットゼロ ムーブメント」のキックオフ宣言をさせていただきました。生協連のみなさま方とは、滋賀グリーン活動ネットワーク等で、エシカル消費の取り組みなど一緒にやっておりますので、是非この点もさらに連携して取り組みを進めていきたい。また、広げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 二つ目は、「死を考える」。私たちが必ず迎える、避けることができない「死」を捉えることから、「より良い生」を考える場づくりを県としてやろうということを提起させていただきました。今年は全国で140万人を超える「多死社会」を迎えると言われています。もちろんネガティブなことだけではなくて、「どう自分らしく生きて、旅立っていくのか」それぞれの方の望む看取りや、地域での老い、病とのつき合い方をつくっていくのか。これはある意味根源的な課題であると思います。宗教者、医療者、福祉事業者だけに任せておくのではなく、個人の問題ということだけではなく、社会としてどう支えあっていくのか。前向きに考えられるような環境をつくっていくのか。こういうことについて、滋賀県として取り組みを進めていきたいと考えているところです。この点も生協連のみなさま方は、まさに、日々のみなさま方のくらしを支えあいながら、寄り添いながら、一緒に考えられる場をたくさんお持ちになっていらっしゃいますので、この中から出てくる様々なお声をお寄せいただければと存じます。
 今年一年が、禍のない一年になりますよう、また実りや幸い多き一年になりますことをご祈念申し上げ、簡単ですけど、挨拶とさせていただきます。


 乾杯 ご発声

信頼社会の構築と所得再分配の機能強化
◆IYC記念滋賀県協同組合協議会 会長 滋賀県立大学名誉教授 小池 恒男様

2020年新年賀詞交歓会

 世の中全体が進歩、成長している中にあって、どうもわが日本は逆走しているというのか。そういう点が非常に目立ってきたのがすごく残念で、5つほどその典型を挙げさせていただきます。
 一つは、実質賃金指数が1997年からの21年間に、10.9%マイナス。先進国八か国中マイナスなのは、日本だけです。しかも10%超えですから、いかに逆走しているかということです。
 二つ目は、ジェンダー。男女平等という点で、153ヶ国中121番に転落しまして、昨年が110位でしたから、さらに転落いたしました。先進国7ヶ国中最下位です。こういうことですから、もう本当に社会がダイナミズムを欠くというふうに思うのですね。
 第三は、地球温暖化対策は、本当に気候変動の自然災害に打ち勝てるのかという危機感を持つのです。スペインで開催されました「国連気候変動枠組み条約第二五回締約国会議(COP25)」で、なんと、「化石賞」をいただいてしまった。
 第四は、「核兵器禁止条約」に後ろ向きという点でございます。批准国が今34カ国。50カ国批准で発効ですから、もう少しというところですが、そういう中にあって、日本は非批准国だという点です。
 最後に、もう一つ国家の根幹にかかわる問題として、公文書軽視ということです。隠蔽、廃棄、改竄、これは国家の成り立ちに関わる危機です。世界の中でも本当に軽んじられていると、強く思います。
 この五つの点で、非常に残念な逆走をしてしまっていると思います。
 要するに日本は先進国なんかではなかったのか。先進国になり損ねた日本だったのか。そのくらい深刻に、私は思っています。
 しかしながら、年頭でございますから、明るいめざす方向を、二つほど申し上げたいと思います。
 今年は、良いことも悪いことも含めまして、波乱万丈の年になるのではないかと思っております。
 ささやかながらも、リベラルデモクラシーで信頼社会を築くということが一つでございます。
 もう一つは、所得再分配の機能強化を図ってくらしを豊かにしましょうということでございます。
 この二つの目標は、協同組合の使命として果たさなければならない非常に重要な役割、課題ではないかというふうに思います。
 以上でございまして、みなさんの健康と奮闘を祈願して、乾杯させていただきたいと思います。
 では僭越ですが、ご唱和をお願いいたします。乾杯。失礼いたしました。


 ご来賓の御挨拶

地域循環型社会モデルと高齢者保健事業・介護予防
◆湖南市 市長 谷畑 英吾様

2020年新年賀詞交歓会

 平素は連帯経済の中で地域活動、特に「いのちとくらしを大切にする活動」を展開されておられますことに、心から敬意を表したいと思います。  連帯ということで申しますと、世界最初に組合活動をした、大原幽学という農業者がおられます。その流れを汲んで、湖南市の石部地先に、お米を持ち寄って、飢饉の時にはそれを出すという「八石教会所」というものがつくられておりました。お米を持ち寄って、飢饉の時にはそれを出すという取り組みでしたが、そういったDNAが、日本人の中に脈々と根付いているということで、この協同組合活動というものは、まさに日本のお家芸ではないかと思っています。
 同じく湖南市の石部地先では、わが国初の「コナン市民共同発電所」がつくられました。今、そのエネルギーのあり方について、さまざまな取り組みをさせていただいております。地域循環型社会、とりわけ地域新電力を中心とした、持続可能なまちづくりを進めつつあるところでございます。
 また、電力だけでなく、エネルギーのあり方全般について、地域の中で循環をさせながら、地域経済にリンクをさせ、人々のくらしを地域の中で支えて行くモデルを、今つくらせていただいています。
 その活動については、環境省と資源エネルギー庁の方とも連携をしながら進めておりますので、湖南市で今議論していることが、おそらく十年後には全国の標準になるかなと思っております。
 また、しが健康医療生協の佐々木先生がいらっしゃいます。私も組合員であります。高齢者の保健事業と介護予防は、これから地域の中で十分な連携を図っていかなければなりません。地域の中で支えあいがしっかりとできる。そういった滋賀県土づくり、また基礎自治体づくりも、みなさんとともに進めて参りたいと思っております。今年もどうかよろしくお願い申し上げたいと思っております。
 この連帯をしっかりとつないでいくという活動を、地道に組み立てて積み上げていただきましたみなさま方に、改めて敬意と感謝を申しますと共に、今年一年間、みなさま方がさらに幸多からんことをお祈り申し上げまして、ご挨拶とさせていただきたいと思います。


 会員生協新年の抱負

地域もまきこんで活動の幅を広げたい
◆滋賀県立大学生協 森山 将専務理事

2020年新年賀詞交歓会

 昨年、滋賀県立大学生協では、今約三千人を超える組合員さんがいらっしゃるのですが、これからまた次の時代に合った形で利用いただけるよう、生協の食堂を改装させていただきました。
 滋賀県立大学自体が「SDGsキャンパス宣言」を行っておりまして、今年、生協もSDGsの活動をより一層強めていこうと考えております。
 今日はそういう取り組みを推進してくれる学生委員で生協の理事でもあります宮本君にも一緒に来てもらっておりますので、一言挨拶していただきます。
2020年新年賀詞交歓会 学生委員会の宮本と申します。2019年学生委員会は、メンバーがとても多くなって、活動の幅を広げることができました。前から行っていた他の学生との協力に加えて、職員の方との連携で「健康相談室」や「学生相談室」を行ったり、また、彦根警察の方をお呼びして、「自転車の乗り方、マナー講習会」を開催しました。
 2020年は、さらに活動の幅を広げるため、地域の方をまきこんで、地域の方と一緒にSDGsや、防災など、様々なことに取り組んで行きたいと思っております。


滋賀大から全国へ未来の元気の種を撒く
◆滋賀大学彦根地区生協・大津地区生協 柳澤 克哉専務理事

2020年新年賀詞交歓会

 滋賀大学は一つですが、生協は彦根地区と大津地区の二つに分かれている、ちょっと特殊な大学生協になっておりまして、私は、両地区で専務理事をさせていただいております。
 今の大学生は非常に勉強も熱心にしますし、アルバイトですとか、クラブ活動ですとか、そういったこととかも熱心にされています。
 その中でも、先ほどの滋賀県立大学生協さんの方からもご紹介がありましたけれども、今非常に大学生の中で話題になっているのがSDGsで、授業の中でも「どういうふうに、持続可能な社会をつくっていくか」というところでいろいろな研究に取り組んでいます。
 例えば、今度七月には、「どうすれば生協でレジ袋の廃止や、削減が取り組めるか」ということを提案してくれる学生もいました。大学としても学内で勉強するだけではなく、外に出て「地域と一緒に何ができるか」「どういうことをしていくか」ということを検討しています。
 これから、地域のみなさま、県内のみなさまには、お世話になる機会が多くなるかなと思いますので、今後とも地域で学生を育てていくという視点でご協力いただければ幸いです。
 今、滋賀大学で学んでいる学生は、県内だけではなく、県外からもたくさん来られていますので、卒業して全国に散らばっていくことにより、日本が元気になっていくのではないのかと思います。
 やはり未来を創っていくのは、今の若い力、学生のみなさんだと思いますので、それを支えていくために、われわれ大学生協も頑張っていきたいと思います。今後とも、みなさま方のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


組合員さんの顔が見える近さと暖かさがある生協
◆滋賀医科大学生協 佐藤 由紀理事

2020年新年賀詞交歓会

 医大生協は2018度が創立15周年の節目の年で、2019年度の総代会で、それまでの役員、店長体制を変え、2020年を迎えました。
 全国にある二百余の大学生協の中でも小規模の生協に入りますが、小さいけれども、小さいからこそ組合員さんの顔が見える、近さと暖かさがある生協の良さを感じながら勤務しています。
 そうは言っても、普段お店の方は店長にお任せしています。今日は二見店長も来てもらっています。デビュー戦ですので、是非タテとか、ヨコとか、斜めとか、いろいろな関係を築いて帰ってもらえたらいいなあと思っています。是非みなさんもお声掛けをいただければありがたいです。
 小さい生協ながらも、新しい体制の中で、サスティナブルな組織として、このまま一歩一歩、歩んでいきたい。2020年滋賀医大生協、今日お集りのみなさま方とともに発展していける一年になればと思います。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。


健康の先にある人生の豊かさ 安心して住み続けられる地域
◆しが健康医療生協 佐々木 隆史副理事長

2020年新年賀詞交歓会

 しが健康医療生活協同組合こうせい駅前診療所所長、家庭医の佐々木と申します。
 先ほどから、三日月知事をはじめ、ご来賓の方々のお話にもありましたように、「いのちとどう向きあうか」最前線に立って頑張っています。
 医療機関というのは、どちらかというと、病気を扱うというふうに思われがちですが、我々は健康を扱っていると思っています。病気を探すのではなく、その人の良いところや生きがいを見つけて、「どのように老いと付き合ってもらうか」ということを一緒に考えながら頑張っています。
 健康とは何か。世界保健機構憲章では「身体的、精神的、社会的に満たされた状態」と謳われていますけれども、我々は健康が目的ではありません。健康の先にある真のQOL(クオリティ オブ ライフ「生活の質」「生命の質」)人生を豊かにすることを目指して、患者さんと一緒に歩んでいます。
 最近はやりの「人生会議」という愛称で呼ばれている、ACP(アドバンス・ケア・プランニング「事前医療・ケア計画」)、その人の生きがいをどう支えていくかを、医者だけでなく、看護師、事務も含めた多職種の連携で、組合員さんの生活、さらには組合員さんだけでなく地域の方々に対しても、一緒に住みよいくらしをつくっていこうということに努めています。
 医療生協は「いのちの章典」を制定しています。
 「いのちとくらしを守り続けて健康をはぐくむための権利と責任」ということです。「自分たちの健康は自分たちで決定する権利がある」。それはとりもなおさず、「自分たちの健康を守るためにはどうしたらいいのか」を自らが取り組まなければいけないということでもあります。その権利と責任を地域の方々とともに実現していこうと頑張っています。
 医療に関して、最近SDH(Social Determinants of Health=健康の社会的決定要因)が注目されてきています。
 以前、「糖尿病から腎不全になった人は、自業自得だから、透析は自己責任で」という元アナウンサーのブログが炎上したことがありましたが、健康は自分だけで頑張るものではなく、社会的格差や、薬物、幼少期の環境、社会的支援、食生活、交通、地域の環境など、多様な社会的要因に左右されるものなのです。
 湖南市の谷畑市長には、病児・病後児保育室「かんがる〜」を支援していただいています。さらに地域の健康を良くするために、交通の支援などの社会的支援を、今年度は頑張っていこうかなと思っています。「地域包括ケア」が最近注目をあびていますが、「誰もが安心して住み続けられる地域づくり」ということで、いかに満足したくらしができるかということを支えていきたいと思います。
 健康増進のために地域の困った事を見つけられる力を、我々医療生協は持っていると思います。我々だけでなく、みなさんと一緒に生協連の方々、地域の方々と一緒に「安心して住み続けられる地域」を作り続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


働く人たちのための 住まいに関わって半世紀
◆滋賀県勤労者住宅生協 石田 道明部長

2020年新年賀詞交歓会

 住宅生協は、今から52年前の1968年、昭和43年に「働く人たちのために、どうしたら住宅が持てるだろう」ということでできた生協法人です。株式会社ではありません。当時昭和40年前半、簡単に家が持てる時代ではなかったと思います。私も昭和30年代の後半生まれですけど、そういう時代にできた団体です。
 その趣旨に則りまして、今県下各地で、「いろんな方に、お求めいただきやすい住宅を」「ここやったら喜んでもらえるのではないやろか」ということで、東は甲賀の貴生川から、八日市、西は堅田方面から、湖西の方までいろいろなところで分譲させていただいております。
 一応メインの事業は、土地の分譲ということになっています。41の協力会を設けまして、一緒に活動しております。
 その他にも、プラスして、住まいにまつわるいろいろなご相談があろうかと思います。去年ですと、「台風で屋根が飛んだ」とか「壁が壊れた」とか、そんなお話もいろいろいただきました。それをいかに安く、きっちりお仕事させていただけるか、こういったことも大きなテーマだと思っています。
 そういうことで、衣食住のうちの僕らは住まいに関する「住」を担っているわけですけど、そういったところで、ちょっとでも、お手伝いができたらと思っています。
 土地はどんどんなくなっていきます。みなさん、「ここに住みたいな」と思うところがございます。もし「ここ、うち余っているよ」というような情報がございましたら、是非一声お声掛けいただけましたら、幸いにございます。
 今後とも、住宅生協をよろしくお願いします。ありがとうございます。


みんなでたすけあい豊かで安心できる社会づくり
◆滋賀県勤労者共済生協 白川 尚正専務理事

2020年新年賀詞交歓会

 みなさん、こんばんは。こくみん共済COOPとともに、二つの顔を持つ勤労者共済生協の白川でございます。ご存知の通り、昨年も台風による被害が多かったわけですけれども、滋賀県はあんまり被害がありませんでした。ただ、関東の方はかなり甚大な被害がございまして、私どもの契約の中で、受付件数が55,000件に今なってございます。それから共済金が今、60億を超えているような状況でございます。現場調査に行きますと、現在でも修理にかなり時間がかかっていて「なかなか直せない」という家が多いというふうに聞いてございます。やはり私的補償の大切さというのを肌で感じることができました。
 それから、今年の共済生協の組合員に対してのお役立ちの活動として、「みんなでたすけあい、豊かで安心できる社会づくり」という理念にもとづき、積極的に地域社会に貢献する活動を展開しています。防災減災の取り組み、交通安全の啓蒙活動、琵琶湖の環境を守る活動、子育て支援の活動、そしてSDGsに掲げている理念にもとづく活動等を重点分野と位置づけて取り組んでいます。
 今年こそは、滋賀県も災害がないような一年になってほしいなと考えています。是非一年間、いろいろなことで取り組んで行きたいと考えていますので、みなさん方のご支援よろしくお願いします。ありがとうございました。


「シャボン玉フォーラム全国集会」 二巡目のスタートも滋賀県から
◆生活クラブ生協 山下 崇輝専務理事

2020年新年賀詞交歓会

 今年5月16日、17日の2日間にわたりまして、「シャボン玉フォーラム全国集会in滋賀」を、私ども生活クラブ生協が引き受け団体となって開催いたします。これは滋賀県から始まった「せっけん運動」を全国で今でも取り組んでいる仲間たちが1堂に会しまして、それぞれの活動を共有し、そして2020年度、「これから一年頑張ってせっけん運動を進めていこうね」ということを確認していく集まりであります。
 実はこの「せっけん運動」、第1回が滋賀県、40年ほど前に開催されたのですが、そこから1巡いたしまして、滋賀県では第2回目の「シャボン玉フォーラム」を久しぶりに開催させていただきます。もう1度、この「せっけん運動」を滋賀県から発信し、社会を変えていく運動にしていく。そのようなフォーラムにしていきたいと考えています。
 いろいろな方のご協力をいただきまして、また先ほど三日月知事もパネリストとしてご登壇いただけるというお返事を頂戴いたしまして、すごくいいフォーラムができると思います。みなさん機会がございましたら、ぜひご出席の方をご検討ください。
 私たちはこのように、FEC自給圏(食糧〈Foods〉とエネルギー〈Energy〉、そしてケア〈Care=医療・介護・福祉〉をできるだけ地域内で自給することが、コミュニティの生存条件を強くし、雇用を生み出し、地域が自立することにつなげる)を滋賀県で作っていきたいと考えています。それを何でもない私たち市民一人ひとり、この一人ひとりの力を集めて、つくっていきたいと考えています。私たち一人ひとりがたくさん、大勢集まれば、社会というのは必ず変えていける。それを信念にもって生活クラブは運動を展開しております。
 滋賀県ももっとよりよい社会に、琵琶湖ももっときれいな状態にして、子どもたちに渡していける。このような活動の、またスタートの年に、今年をしたいと考えておりますので、どうぞみなさん、またご指導ご鞭撻のほど、お願いいたします。


笑顔あふれる未来を 後世に残していこう
◆生活協同組合コープしが 安岡 寿司常務理事

2020年新年賀詞交歓会

 コープしがは、設立しまして27年を迎えることができました。コープしがはこれまで理念というものを掲げず前に進んで参りましたけれども、今年はしっかりと理念をつくろうということで、多くの組合員さんのご意見、また、職員の意見を聞きながらつくりあげてきました。
 「ともにつくる、笑顔あふれる未来」を第一次案としてつくりあげてまいりました。このことは「笑顔あふれる未来を後世に残していこう」という想いで作っております。六月の総代会で、これをご提案するということになります。まだ時間はありますので、しっかりと議論をしながら深めていきたいと思います。
 そして、今年は「2020年ビジョン」の最終年にあたります。
 店舗事業のところは、長浜市にスーパーマーケットを出店することになりました。このスーパーマーケットから、少し買い物が不自由な地域へお買い物バスを無料で走らせて、地域の方々のくらしを応援していきたいなと思っております。
 宅配事業のところは「どこでも自宅まで配達します」という事業でありますので、この事業を広めることで地域のくらしに役立って行こうと考えています。ですので、どんどん組合員さんを増やしながら事業も拡大していきたいなと考えています。
 そして、「2020年ビジョン」の最終年でありますけれども、「2030年ビジョン」を作成する年でもあります。今後、滋賀県がどのように進んでいくのか、滋賀県にどのようにお役に立っていくのかを、しっかりと考え、「2030年ビジョン」をつくっていきたいと思います。
 今後ともいろいろとご支援ご指導のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございます。


 閉会の辞

「つながる力」を大きくし くらしをより良くしていく
◆滋賀県生活協同組合連合会 副会長 白石 一夫

2020年新年賀詞交歓会

 みなさん、ご参加いただきまして本当に有難うございます。今日、会長の元気いっぱいの開会挨拶から始まって、そしてご来賓のみなさんからは「もっと頑張ろう」とか応援のご挨拶もいただきまして、本当に感謝申し上げます。
 簡単に今日の感想を一言で言えば、「やはり、つながる力が私たちにはあるんや」と思いました。この2020年、混沌とした社会ですけれども、でも「つながる力」を持って、より良いくらしをつくっていく、私たち生活協同組合の活動を元気よく進めて参りたいと思います。
 ぜひとも今日ご参加いただいたみなさんからも、日常的なご支援もいただきながらではございますが、「つながる力」をもっともっと大きくしながら、くらしをより良くしていく、そんなことに邁進していけたらと思っています。
 今日は、本当にご参加ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

(文責・事務局)