滋賀県連からのお知らせ
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2011年度 課題と抱負

   生活協同組合コープしが
 私どもの2011年度方針、並びに今後の執行体制を決める総代会は6月10日、無事、多くの組合員の賛意のもとで成功いたしました。今年の基本方針は、これまで積み重ねてきた「聴く、話し合う、そしてつなぐことを大切にした」事業・活動をさらに進め、みんなで考え、協力し合って「あたらしい協同」を創っていこう、というものです。改まって掲げている「あたらしい協同」とは何なのか。実のところ、これは簡単に定義づけして組織に〝下ろす〟ように書き表してはいません。2011年度、そしてこれからの時代、私たちは何をめざして自己改革しなければならないかは、「みんなで考え、協力しあう」ことによってしか見出すことができません。私たちコープしがは、そうした協同組合運動、人と人とのつながりに対する確信を2011年度方針の柱としたということです。
 現在の日本経済は、この間の不安定な世界情勢、国内における依然として厳しい雇用環境の中、いまだ先行きが見えない状況にあります。その中での東日本大震災の影響は長期に及ぶことが明らかであり、消費者を取り巻く生活環境は今後1層の厳しいものになることが避けられません。原発および放射能被害への不安なども含め、私たちのくらしは混迷を極めていくとも思えます。
 しかし不安に震える時代だからこそ、協同組合が培ってきた、つながりや絆が大切なことは言うまでもありません。混沌の次第だからこそ私たち協同組合の価値・真価が発揮できるときです。
 地域のなかにあるくらしの課題に向かいあっていくための組合員活動の新しいスタイル、新規にチャレンジする夕食サポートなど、地域のニーズに応える新しい商品・サービスの開発。これからのくらしのための新しい事業・活動にどれだけ知恵を寄せ合い、協同できるか。協同の価値に確信をもって、2011年度方針の実践に向かっていきたいと思います。

   生活クラブ生活協同組合
 生活クラブ生活協同組合は、設立後、第2回目の通常総代会を、無事に終えることができました。
 今年度の方針は、1.組合員ひとりひとりが消費材の良さ、使い続けることの意味を理解し、たくさんの人に伝えていき、ひとりでも多くの仲間を増やしていくこと。2.委員会活動や、地区で、より活発な組合員活動を展開していくこと。3.石けんの利用をすすめていくこと。4.循環型社会をつくっていくための1環として、グリーンシステムとして取り組んでいるリターナブルビンの使用をさらにすすめていくこと。5.事業基盤の確立。などです。
 今年度末組合員数1500人を目標に、地域に根差した活動を行っていきます。

   滋賀県勤労者共済生活協同組合
1.2011年度の事業活動報告
 滋賀労済の2011年度(2011年6月〜2011年5月)の活動は、滋賀労済創立50周年記念事業実行計画で定めた組合員や社会への感謝の表明などの各種イベントや、推進キャンペーンとして慶弔(総合)共済の利用拡大に向けた取り組みとともに、全労済滋賀県本部と連携して「火災共済・自然災害共済」および「マイカー共済」、「こくみん共済」などの推進を通じて事業の拡大に取り組み、目標とした組合員数10万人を達成することができました。
2.2011年度の事業活動計画
 2011年度は全労済滋賀県本部と連携し、東日本大震災の被災者への共済金支払業務への要員派遣を行い、1日も早い共済金支払対応ができるように取り組むとともに、組合員の住宅保障点検運動の取り組みをすすめてまいります。
【滋賀労済(全労済滋賀県本部)2011年度の主要な取り組み】
1.組合員満足度の向上のため、業務全体の改善や改革を意識し、実行します。
組合員・協力団体の声にもとづく業務改善をすすめます。新生協法・保険法に準拠した対応をすすめ、組合員から信頼される組織、事業をめざします。
2.協力団体と組合員1人ひとりの期待にこたえる事業推進活動への改革をはかります。
協力団体との連携による生活保障設計の取り組みをすすめる中で、組合員とのコミュニケーションを深め、永続的な関係づくりをすすめます。
3.地区推進会連絡会議(県下4地区連)を中心とした共済活動の拡大をはかります。    
県下の各地区連(組合員組織)での主体的取り組みによる自主福祉活動へのサポート強化をはかります。
重点共済である火災・自然災害共済を中心に、2011年度事業計画の達成をめざします。
4.「東日本大震災」の被災組合員とその家族へ早期の共済金支払いにむけて、全労済連合会の県本部としてその役割と任務を果たしていきます。

   滋賀県勤労者住宅生活協同組合
 低迷しております住宅着工戸数も2009年の78万戸から2010年の81万戸へと全体で3・1%の増加となり、持家が7・2%増、分譲住宅が19・4%増と薄日が差し込んできたと思われた3月に「東日本大震災」が襲い大きな痛手を残す事になりました。
 住宅生協におきましては、安全、安心を切り口とし、組合員様に対し良質な住宅を提供すべく レインボータウンでの分譲事業を中心に営業力を強化しつつ事業展開を実施し、2009年度28区画の販売実績より49区画の販売実績とする事ができました。
 本年度につきましては、「東日本大震災」による資材不足・資材高騰が予想される中、引き続きレインボータウンでの分譲事業を中心に魅力ある街作りを推進し、「優良な物件を安価で」の精神で組合員様の立場に立った営業展開を実施致します。
 また 新規事業として、「リフォーム」「請負」「賃貸」「不動産仲介」を立ち上げる事により、組合員様の様々な「ニーズ」にお応えできるよう専門家を配置し、「住まいに関する事は住宅生協へ」のスローガンのもと更に認知度を高める事業展開を行います。

   しが健康医療生活協同組合
 2012年の制度改正(介護保険制度改定・診療報酬改定)を目前に控え、「医・福・食・住」の事業と活動で、安心して住み続けるまちを作りに取り組みます。この取り組みを通じて、人々のつながりを広げ、その中で多くの組合員を迎え入れていきたいと思っています。
 事業・サービスの質向上(医療・介護の質向上)の取り組みを重視し、「高齢者はじめ、みんなにやさしい事業」、「しが健康医療生協」ならではの目玉となるサービスの具体化に取り組みます。
 また、がん検診や高齢者のための健康チェック等、保健予防、健康づくりをすすめます。
 社会保障と自治体の生活支援制度の改善運動にもとりくみ、「こびらい生協診療所」でも「無料・低額診療事業」を活用した「いのちくらしをまもる事業」をすすめます。
 「食」のテーマでは、草津・栗東「にじの家」での組合員同士の食事会や有償ボランティアの取り組み、野菜朝市等の活動を推進します。

   滋賀県職員生活協同組合
 職員生協は、共同互助の精神に基づき、組合員の生活の文化的経済的に改善向上を目指し、福利厚生事業の1翼を担っています。
 しかし、3月の東北地方太平洋沖地震により供給額も急激に減少し、更に厳しい状況が続いており平成23年度も生協を取り巻く環境が好転することは困難と思われます。このため、本年2月の〝職員生協あり方検討委員会〟からの提言を踏まえ、事業の利用推進を図るとともに、業務を効率的かつ効果的に進め、経営を改善につなげていきます。
 当職員生協の目的に照らしてみて、不採算部門という理由だけで各事業を廃止することは困難ですが、これまでの事業について収支面や提言をもとに見直し、アンケートや意見箱で提起された課題に込められた組合員ニーズに応えながら持続可能な生協運営に向けて取り組みます。

   滋賀大学大津地区生活協同組合
 滋賀大学大津地区生協は、「組合員と1緒に作り上げる生協」を今年度の活動のテーマとして、生協の原点に立ち返り組合員の声や思いが反映された生協を、組合員・生協職員・生協学生委員会Willingが1緒になって作り上げていきます。
 今まで以上に「ひとことカード」にこだわることと、生協からの情報発信や報告をきちんと行うことで、みんなで作り上げる生協を目指して行きます。また、共済活動、オープンキャンパスから始まる新入生サポート、環境問題、平和活動など幅広い取り組みを通じ、組合員参加を進めていきます。
 また2011年度は、大学生協京都事業連合からの「小規模生協支援」について従来のあり方を見直し、今までとは違った形の連帯からの支援を受けながら専務理事1名体制で経営的に自立した運営の確立を進めます。
 これまで教育学部の滋賀大学大津地区生協と、経済学部の滋賀大学彦根地区生協とは、それぞれ独立した別法人として事業を行ってきました。今後、双方の生協の経営改善や運営の効率化を実現し、滋賀大学の生協組合員の勉学研究・学生生活により1層貢献するため、また法人としての滋賀大学の発展にも貢献できる生協をめざすため、両生協の合併に向けて彦根地区生協や行政との協議・検討を開始します。

   滋賀大学彦根地区生活協同組合
 2010年度の活動の特徴点として、組合員参加のとりくみは活発に行われたものの、店舗利用の面では、利用が伸び悩み、経営的には赤字決算となってしまいました。
 組合員参加による、「健康フェアー」「メディカルマップの作成」、「11年目を迎えた7夕祭り」「パフェ企画」「クリスマス企画」などの多くのイベントで喜ばれ利用される活動も多かったのですが、一方で、日常の食堂利用や、購買部での食品利用では大きく利用を落とし、単年度損益、約300万円の赤字と、3期連続の赤字決算となってしまい、積立金も取り崩し、累積赤字をかかえた構造となりました。
 2011年度は今まで以上に組合員参加でのお店作りをすすめながら、大学生活に欠かせないテーマ(勉学・就活・食事・健康・安全・環境・など)に関する、生活提案活動の強化をすすめながら利用回復をすすめていくことが課題です。また、滋賀大学では、大津地区生協と、彦根地区生協の別法人で事業を行っておりますが、双方の経営改善や運営の効率化を実現し、滋賀大学の組合員の勉学研究・学生生活により1層貢献するため、また、滋賀大学の発展にも貢献できる生協を目指すため、合併に向けた協議・検討を開始します。

   滋賀医科大学生活協同組合
 2011年度のテーマは、「生協設立の原点にたちかえって、組合員みんなで生協を利用し、支え、つくりあげよう」です。滋賀医科大学生協は、設立当初から加盟する京都事業連合から経営支援を受けてきましたが、今年度から経営自立をめざして取り組みます。今まで2名だった正規職員を1名にした運営体制としましたので、第1の課題は、生協の事業、経営を安定して継続することができるような仕組みを作ることです。今年は付属病院にローソンが出店します。新たな競合が生じますが、「1言カード」を再開することなどを含め、生協らしい、組合員に依拠した活動に取り組みます。

   滋賀県立大学生活協同組合
 2010年度は、経済環境の厳しさから経営的には厳しくなる見通しを持っていましたが、おかげさまで多くの利用に支えていただきました。お陰様で永年の課題でした累積欠損の解消ができました。要因は、内部の経営努力の成果もありますが、下記にご紹介するような組合員活動の前進があったからと考えています。
 組合員活動は、引き続き、学内の学生団体、研究室との協業で取り組みをさせていただきました。環境サークルEMOによるISO14001の自己宣言による環境活動、グリーンコンシューマーサークルによる環境配慮文具の提案活動、近江楽座「とよサラダプロジェクト」の野菜の取り扱い、近江楽座「あかりんちゅ」の廃ろうそくによる再生キャンドルの販売や食堂テラスでのキャンドルナイト、研究室とのnakaniwa cafe PJなどの取り組みを引き続き行いました。
新しい取り組みでは、大学圃場米を使用して、学生・教員と喜多酒造さんとで日本酒「湖風」を開発し、彦根市内を中心に販売を開始しました。偶然の産物ではありましたが、酒造会社の温かいご支援により、学生たちは企画、酒造体験から販売に至るまで経験でき、貴重な体験を得る機会をいただきました。今まで直接ご縁のなかった組合員・地域の方々との出会いも多くあり、今後の生協活動の在り方にも多くの示唆をいただく貴重な経験となりました。
 2011年度も、引き続き、これらの活動を発展させていきながら、組合員との結びつき、協業を強めていきたいと考えています。また、今年度から生協の学生委員会組織を再結成し、店舗事業への組合員参加も強めていきます。また、東日本大震災復興支援に学内でも個別様々な取り組みが行われていますので、互いの連携を図り、支援の輪を学内外に広げていきます。

   立命館生活協同組合
 立命館生協は2011年度の終わり、2012年2月に創立からちょうど50年という節目を迎えようとしています。その時にありたい姿、あるべき姿を「2012年ビジョン」として2009年度にまとめており、今年度は実践最終年にも当たります。このほかにも「健全経営確立への第1歩の年」「キャンパス環境激変への準備の年」、そして「震災被災者支援と復興の年」として1年間活動していく方針です。
 特に今後の2ヵ年は大きなキャンパス環境の変化やそれに伴う大型投資もないことから、それ以降の展開に向けて事業の足元を固め、累積欠損を解消する絶好のチャンスととらえ、「ビジョン」の実践を通じて確実な事業改善を実現したいと考えています。具体的には、通年化しつつある「新学期・新入生対応の成功」、事業のメインである「食事業の充実」、大学生協として「学生の学びと成長を応援する事業の推進」、何よりも「安心・安全の確保と信頼される経営」を重点課題とし、ひとつひとつの事業のなかでこれらの視点を大事に取り組んでいきます。
 その年度初めに発生した東日本太平洋沖地震は、私たちの新学期関連事業にも影響を与えています。これは一時的なものではなく、中長期的に様々な影響が危惧されます。直接私たちの事業に関わることだけでなく、現在の、そして未来の学生組合員の生活や学びの場面そのものも変えてしまいます。しかしその一方で、震災を通じて「協同」の意味や「助け合い」の精神とは何か考え、協同組合の強みを再認識することも出来ます。組合員組織として、また立命館学園の福利厚生を担う1パートとして、果たすべき役割を組合員と考えながら、様々な事業活動・組織活動の実績を残せる1年にしていきたいと思います。

   龍谷大学生活協同組合
 龍谷大学は第5次長期計画の2年目にあたり、政策学部、短期大学部子ども教育学科が新設されました。今後も国際文化学部の移転や新学部設置の検討などがされており、大学も大きく変化をしていきます。来年完成の深草キャンパスの新棟食堂の運営を始めとして、より快適に利用していただけるような福利厚生施設の提案を大学と1緒に検討を進めます。
 今春、学生証と組合員証が今年1体化しました。お得に利用できるポイントシステム、生協で使える電子マネー、ミールシステム(食堂定期券)として活用が始まりました。今後もより便利なカードとして活用できるように改善していきます。
 龍谷大学生協は今年で45周年を迎えます。残念ながら多額の累積赤字を計上しています。今年度は大幅な体制変更を行い、新しい体制のもとでの運営をスタートしました。中期計画が最終年度にあたりますので、これまでのとりくみのまとめを行い、経営改善も含めたビジョンとアクションプランの策定を行います。

   日本労働者協同組合連合会センター事業団
 2011年度、日本労働者協同組合連合会センター事業団は、「東日本大震災—天災と人災と痛苦と、悲劇的現実 恐怖と不安そして怒りの原発破綻—それをも超えてなお起とう!明日の、未来への希望のために」をスローガンに事業・運動を進めてまいりたいと思います。皆さん、ご周知の通り、3月11日、東日本を襲った大地震・大津波により、多数の命・生活が根こそぎ奪われました。また、福島原発の破綻により、日本社会は大きな転換点に立とうとしています。
 私たちに今問われていることは、これまでの資本主義社会の本質と課題を見つめ直し、新しい社会の仕組みづくりに市民と共に本格的に挑戦を進めていく1年として、活動を進めていきます。
 滋賀県では、2011年4月より、高島市にて、道の駅しんあさひ風車村の指定管理者として、新たな公共サービスの事に挑戦しています。地域に密着した活性化につながる事業だけでなく、人の集まる場としての機能をどう高めていくが課題です。同じく、失業者の就労支援の1策として、基金訓練の取り組みも草津市にて始まりました。単に就労することを支援するだけでなく、自らが出資をして仕事を立ち上げる「協同労働の仕事おこし」に訓練生と共に挑戦しています。障がいを持った子どもたちの居場所づくり、児童デイサービスの立ち上げを企画しています。
 今年の滋賀県での活動の焦点は、地域とどう結んで、市民のための仕事を創造していくかが問われています。これまでの委託事業の枠組みを超えて、協同労働らしい地域づくり・組合員の主体性を引き延ばしていきたいと思います。