滋賀の生協 No.145(2008.9.25) |
滋賀県食の安全・安心条例制定を求める県民集会を開催し、集会宣言を採択しました。 |
昨年の4月に滋賀県生協連合会の呼びかけで7団体2個人で発足させた「食の安全・安心条例化を求める滋賀県民会議」は7団体、2個人の参加で、6ヶ月かけて条例要綱案を12月に作成しました。今年に入り運動方針を確認し、県民向けに条例要綱案解説パンフレットを作成し、知事への働きかけ=直接県民の声を届ける知事への手紙、県行政担当部局との懇談(5月28日)、滋賀県議会全会派への要請(6月26日)などを取り組んできました。そして、世論喚起の集大成として、7.17滋賀県食の安全・安心条例制定を求める県民集会を開催しました。 当日は、最初に「食の安全・安心条例化を求める滋賀県民会議」の議長である柴田克己氏より開会の挨拶があり“日本国憲法の第25条には「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記載されている。では具体的に国及び地方公共団体は、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために何をしなければいけないのか。と問いかけた上で、「食の安全性を理解するために必要な知識を与えること」と「国民が健康を維持するために必要な食糧を安定供給すること」である。この安定供給のためには必要な科学力を正当に評価することの必要性と科学力の両面を正しく認識し、食品に絶対的な安全性が存在しない以上、危害が生じたときの地域特性に基づいて素早く対処できる社会システムが必要。以上の見解を総合して滋賀県に「食の安全・安心条例」の制定に望むために今回の集会を開催した”と述べられました。続いて、この間の条例制定に向けた県民運動の取り組みについて、滋賀県生協連・西山専務理事より報告がありました。 休憩を挟んで、東大名誉教授の唐木英明氏より「食品の安全・安心について」と題する記念講演がありました。氏の講演内容は下記の通り。 “我々が不安を感じるのは理性よりも本能と感情であり、間違いも多い。さらにマスコミ報道は理性よりも感情に訴えることが多く、報道の回数や不安感情に訴える書き方も問題がある。従って、そうしたところから免れるためには、消費者として正確さを見分ける力(リテラシー)を身につけることが大切。食の安全・安心の基礎は生産者・加工業者・小売業者・消費者の信頼関係(フードチェーンの信頼の輪)である。安全という科学的基礎と信頼という感性が合体して安心という概念が得られる” 最後に、県民会議のメンバーである滋賀弁護士会所属の森野有香弁護士より集会宣言が朗読され、拍手で確認しました。 |
講演される内閣府食品安全委員会専門委員で東大名誉教授の唐木英明先生 |