TPP交渉についての学習会を開催しました。
2011年3月16日(水)、コープしが生協会館・生活文化ホールで、滋賀県立大学名誉教授の小池恒男先生を講師にTPP交渉についての学習会を開催しました。
小池先生からは次のような点について解説・状況報告などがありました。
① TPP(環太平洋経済連携協定)の概要について、関係24分野の交渉項目など。
② 事の起こりとしての4カ国(シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド)のTPPから、アメリカの介入と思惑、WTO(世界貿易機関)農業交渉の行き詰まりと、狭義のFTA(自由貿易協定)との関係、比喩として“トロイの木馬”。
③ 菅政権の構想として「平成の開国」により通商国家へ。
④ 狭義のEPA(経済連携協定)からTPPによるサプライチェーン(供給網)の構築。
⑤ 交渉準備段階の経過と今後の動向予測について。
⑥ 関税の本来的な意味(社会的安定性と持続的な経済発展)について。
~滋賀県下の状況~
また、以下のように各団体の取り組み状況報告がありました。
農協中央会、漁連、森連、農業会議、農業共済連、
土地改良事業団連、青果卸売市場連、
畜産振興協会、農協青壮年部協議会、JAしが女性協議会の10団体による反対関係団体連絡会議の設置、県生協連(現在は中立)、コープしが(態度保留)など。
最後に、この問題の論点として、①自主独立の外交力、②新しい世界秩序の形成に向けての日本のポジショニング、③バランスのとれた国民経済のあり方、④国民生活をめぐるセーフティネットのあり方、⑤我が国における農林漁業(第一次産業)のあり方、⑥食料需給の動向、⑦社会的共通資本の確保、⑧地球環境問題を観点として整理、解説されました。
この学習会には、生協組合員・役職員・生産者の方々など38名が参加されました。