2012国際協同組合年(IYC)滋賀ファイナルイベントを開催しました。
協同組合がよりよい社会を築きます。~琵琶湖の水環境と農林水産業を考える~
2013年3月22日(
金)草津あおばな館において、IYC滋賀実行委員会活動の集大成、そして今後の協同組合・団体間の発展につなげる取り組みとしてIYCファイナルイベントを開催し、各協同組合より62名が参加されました。
開催挨拶としてIYC滋賀実行委員会の水原副委員長(滋賀県生協連会長)より、当実行委員会の活動経過を報告された。さらに、国際協同組合年の意義と役割を理解し合い、「一人は万人のために、万人は一人のために」の精神にもとづき、自由競争を重んじる新自由主義から、守るべきものは守り、より良い社会を築くため、協同組合・団体間で連携し、相乗効果をもって活動を活発にし、互いの協力の可能性を高めていくことに期待していると述べられました。
■今回は基調報告として「琵琶湖の水環境と農林水産業を考える」をテーマに、漁業・林業・農業に携わる視点からご報告いただきました。
基調報告①滋賀県漁業協同組合連合会 林専務 びわ湖の魚は泣いている!!
漁獲量の減少と漁場環境の悪化について危惧され、水草の異
常繁茂や水ヨシ帯の減少など、低水位を維持する水位操作の影響が大きいと指摘されました。また、下水処理水の問題も複合的な水質・底質環境の悪化につながっていると指摘され、琵琶湖の生態系への歪みは漁家経営の危機を招いていると報告された。さらに、水環境の保全については、県民一人ひとりが、どう守っていけば良いのかということを真剣に考えていくことが大切であると述べられました。
基調報告②甲賀森林組合 山根晶子氏「びわ湖の森野ためにできること」
甲賀森林組合 森林施業プランナーの山根さんからは、「びわ湖の森のためにできること~森林組合の取り組み」として、林業を女子力で盛り上げる“林業女子”の活動紹介に始まり、森林の土壌が降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を平準化して洪水の緩和や、川の流量の安定、さらに雨水が森林土壌を通過することにより、水質が浄化される“森林の水源涵養(かんよう)機能”について触れられ、その森林が放置され荒廃がすすんでいることを危惧された。“森林づくりの環”と“木づかいの環”を融合し、森林づくりの循環を維持することが大切であり、一人ひとりがそれぞれの場所で琵琶湖のために、森林のためにできることからはじめることの大切さを訴えられました。
基調報告③滋賀県農協青壮年部協議会 西村委員長「農業を通じた環境への取り組み」
環境に配慮した農業生産の取り組みとして、農業用水を野洲川ダム
と溜め池に頼っているため、水管理は重要であり、流域の農業生産と自然の織りなす相互関係を絶えず意識していること。併せて、排水にも極力配慮し、琵琶湖の水環境を守っていく必要があることを力説されjました。 また、JA栗東市青壮年部が講師や補助者として、市内の小学生(3~6年生)に農作業体験を実施し、“食と農”の大切さを学ぶ教育活動に取り組んでいること、これらを通して次代を担う農業後継者の育成へのきっかけにもなればと、期待していることなどを述べられました。
■その後活発な意見交換・質疑応答があ
り、 講評として、IYC滋賀実行委員会の深尾副委員長(JA滋賀中央会常務理事)より、基調報告の要点と意見交流の概要をふりかえり、まとめとされた。さらに、TPP参加表明以降の直近の情勢について触れられ、表面的な賛成・反対の動向や、農業問題のみを取り上げた報道などを危惧され、本質的な問題、毒素条項などの正確な情報の開示と収集の必要性を強調されました。
IYC記念滋賀県協同組合協議会発足宣言!
最後にIYC滋賀実行委員会の西山委員(滋賀県生協連専務理事)より、「IYC記念滋賀県協同組合協議会」発足宣言(案)を読み上げられ、同規約(案)と併せて提案された。2012年国際協同組合年滋賀実行委員会を継承し、ポストIYCの活動をすすめる推進母体として構成していくことを共有化して、ファイナルイベントの集会を終了しました。
◇集会の後、近江米新品種"みずかがみ”やふなずし・湖魚の佃煮・米粉を使ったラスクの試食やあおばな茶の試飲を楽しみました。