活動のご案内

食の安全・安心

食の安全・安心シンポジウムを開催しました。

2014年度滋賀県食の安全・安心シンポジウムを開催しました。
           ~今、輸入食品の安全は~


 食安シンポ_045 (2).jpg2015年1月21日(水)、栗東文化芸術会館さきらにおいて、滋賀県との共催で食の安全・安心シンポジウムを開催し、行政・事業者・関係団体・生協の役職員及び組合員など145名が参加されました。
 (主催:滋賀県 共催:滋賀県生活協同組合連合会、(一社)滋賀県食品衛生協会)





基調講演】
 「食品中化学物質のリスク評価について」
    国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 第三室長 畝山智香子氏
 「輸入食品の安全性確保の取り組みについて」
    大阪検疫所 輸入食品相談指導室 鈴木則彦氏

◆主な内容
 畝山氏は、①“リスク”は定量との比較が大切で「ある」か「ない」かではなく、「どのくらいの大きさか」、「どちらが大きいか」で考える。②リスクを減らすためには主に暴露量を減らすことであり、リスク=ハザード(原因)×暴露量となる。③“食品安全(Food Safety)”とは、リスクが許容できる程度に低い状態を表し、0(ゼロ)という意味ではない。④リスク評価の一例として食品添加物や残留農薬については、ADI(1日摂取許容量)=NOAEL(無影響量)/安全係数または不確実係数(100)の実質的ゼロリスクに基づき管理される。このため、基準値(MRL)違反として安全性には問題はなくても“違反”として廃棄される食品も少なくはない。⑤“いわゆる健康食品”、サプリメントには表示と内容物の不一致、有毒植物の混入、効果の誇大広告、医薬品との複合作用による悪影響など、危険性が高く、摂取しない方が良い。⑥「食品のリスクは低くはないと認識し、広い視野で多様な食品からバランスのとれた食生活をおくることが大切。」とされ、「すべての食品に何らかのリスクがあり、特定の食品(種類、産地、栽培方向など)に偏らないことがリスクの分散として効果的。」、「多様な選択肢をもって、リスクを分散・緩和すること。」、「国産食品も輸入食品も両方大切。」とまとめられました。 
 また、鈴木氏からは、①日本は食料自給率の6割を輸入に頼っているため、その安全性確保は重要な課題になっている。②輸出国に対しては、日本の食品衛生規制の周知に加え、輸出国の監視体制強化のための技術支援、輸出前検査または証明書の発給などの対策を取っている。③輸入時における対策として、厚生労働大臣への届出、検疫所での審査、モニタリング検査、違反が判明した場合の措置に万全を期している。④国内での対策については、回収時等による都道府県との連携強化、輸入業者への指導と相談受付、地方厚生局における登録と監視指導を強めている。などの対応について最近の事例に沿って解説されました 。


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【パネルディスカッション】
「輸入食品の安全性確保の取り組み」

  コーディネーター:滋賀県立大学 柴田克己教授
  パネリスト:滋賀県生活協同組合連合会 専務理事 西山実氏
         滋賀県食品衛生協会 専務理事・事務局長 山中幾治氏
         滋賀県健康医療福祉部生活衛生課食の安全推進室 室長 辻浩司氏                                     
  アドバイザー:(基調講演講師) 畝山氏、鈴木氏 


 基調講演の後、パネルディスカッションと意見交換が行われ、食の安全・安心に関して改めて学習の場となりました。