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平和安全法制整備法案に反対する声明を送付しました。

「平和安全法制整備法案に反対する声明」を安倍総理に送付しました。

 
5月14日に閣議決定された「平和安全法制整備法案」について、平和とよりよいくらしを脅かす国会審議が開始されることに対し、滋賀県生活協同組合連合会理事会は、強く反対の意を表す声明文を5月26日付けで安倍総理に送付しました。【声明文は以下のとおり】



内閣総理大臣
 安倍晋三 殿
 
 
集団的自衛権の行使を可能とする平和安全法制整備法案に反対する声明
 
 滋賀県生活協同組合連合会は、戦後70年の節目の年にあたり、世界平和と核兵器の廃絶を願うとともに、日本国憲法前文および同第9条を支持し、平和を守る取り組みをより一層強めているところです。しかし、安倍晋三首相は、昨年7月に“存立危機事態”への対処を理由に集団的自衛権の憲法解釈を変え、これを閣議決定しました。さらに5月14日、恒久法「国際平和支援法案」に加えて、集団的自衛権の行使要件を明記する「武力攻撃事態法改正案」と、日本のために活動する米軍や他国軍を地球規模で支援する「周辺事態法(重要影響事態法案)」などの10の法案を“平和安全法制整備法案”として一括し閣議決定しました。このことは集団的自衛権の行使を可能とし、日本の武力行使が歯止め無く拡大する恐れがあるものであり、戦争放棄と専守防衛を大前提とする憲法第9条を空洞化させ、蔑ろにするものであると強く反対の意を表明するものです。
 
 これらの法案の大きな問題点として、期限を設定しない恒久法として新たに設けられようとしている「国際平和支援法案」は、従来の特別措置法では制限されていた戦闘行為を行っている現場への自衛隊派遣を可能としていること。さらに、「PKO協力法改正案」において、任務遂行のために武器使用を認めるなど、これまでの制限を大幅に拡大するものです。さらに、「重要影響事態法案」では、従来(周辺事態法)の「我が国周辺の地域における」という概念が取り除かれ、自衛隊がより危険な地域へも派遣される可能性が広がります。国会での事前承認の規定も新法の「国際平和支援法」に限られたものであり、集団的自衛権の行使も事後承認が可能とあっては、歯止めの機能は果たせません。あわせて、特定秘密保護法により、国民にとって必要な情報が開示されないまま、時の政府の裁量により、安易に自衛隊派遣が認められるのではと危惧されます。
そもそも他国軍への後方支援のための新たな恒久法「国際平和支援法」の制定と、「武力攻撃事態法」や「自衛隊法」などの重要な改正法案を“平和安全法制”として包括し、性急に審議することは、国民にとって非常にわかりづらく複雑であり、乱暴かつ拙速であると言わざるを得ません。また、法案の名称に“平和”を冠していることも“日本の平和と安全に資する”という曖昧な理由を前提に、武力行使が正当化される恐れがあり、適切な名称とは受け止められません。
 
「集団的自衛権」の行使に対応するこれらの安全保障法制は、日本の安全保障政策の大転換です。自衛隊を“切れ目なく”派遣できるようにすることも“日本の平和と安全に資する”とされ、“抑止力の強化”を謳うことは、今後「攻撃的兵器不保持の原則」が崩れ、武力行使を前提とした兵器(空母や爆撃機)の保有や、軍拡競争に道を開くことになります。
 
日本は戦後70年間、一人の戦死者も出さず、戦争をしない平和国家として国際的にも信頼されてきました。憲法第9条を掲げ、武力を行使しない平和的外交が高く評価されています。私たちは憲法が定める平和主義を尊重し、平和とよりよいくらしを守るために、安倍総理が性急に推しすすめる、集団的自衛権の行使を可能とし戦争参加への道を開こうとする「平和安全法制整備法案」に強く反対します。
 
2015年5月26日               
滋賀県生活協同組合連合会理事会