滋賀県食の安全・安心シンポジウムを共催しました。
~「食品添加物は本当に安全なの?」~
2015年11月25日(水)、ひこね燦ぱれすにおいて滋賀県との共催で開催され、生協役職員・行政・事業者・関係団体など87名が参加されました。
今回の開催目的は、食品添加物について、保存料、甘味料、着色料、香料など、多くの加工食品に使用され、今日の豊かな食生活は、食品添加物によるところが少なくはない。食品添加物は、厚生労働省が食品安全委員会の意見を聴き、人の健康を損なうおそれのない場合に限って使用を認め、食品関連事業者は使用基準に従って食品添加物の適正使用に努め、行政はその監視をしている。毎年、県で実施した「県政モニターアンケート」において、「使用されている食品添加物」に不安を感じるとの回答が例年上位に位置するなど、食品添加物に不安を感じている方が多い。このことから、食品添加物に関係する行政、事業者および消費者が一堂に会し、食品添加物に対する取り組みや状況について語り合い、正しい知識の普及と相互理解を深める機会としました。
【基調講演】
内閣府 食品安全委員会 評価第1課係長 武内 聡氏
「食品添加物の安全性と安全確保のしくみについて」
【パネルディスカッション】
・コーディネーター 滋賀県立大学 人間文化学部 柴田克己教授
・パネリスト 滋賀県生活協同組合連合会 大塚会長
彦根食品衛生協会 水谷勝彦常務理事
日本食品添加物協会 谷口均常務理事
滋賀県生活衛生課食の安全推進室 辻浩司室長
・アドバイザー 内閣府 食品安全委員会 武内聡係長
基調講演「食品添加物の安全性と安全確保のしくみについて」をテーマに、武内係長より、①食品の安全を守るしくみ、②食品安全委員会の役割と機能、③食品の安全性の基本的な考え方、④食品のリスク、⑤“食品添加物”の概要とリスク評価について解説された。とくに、どんな食品も絶対安全とはいえない、毒か毒でないかは“量”で決まる。また、食品添加物の役割は、食品の形をつくり、独特の食感を持たせたり、味を良くしたり、品質を保ち、栄養成分を補うため。ひいては、リスクを知り、妥当な判断をするためには、メディアの情報の正確性を見分け、科学知識を身につける努力が必要。また、情報を批判的に読み取る努力をすることと解説されました。
パネルディスカッションでは、滋賀県生協連・大塚会長からは、生協の食品添加物に対する取り組みの歴史的な経過や、使用に際する組織的な合意形成について述べられました。彦根食品衛生協会の水谷常務からは、食品添加物の製造現場からの意見をまじえ、自社製造の醤油の味覚テストを実演されました。さらに、日本食品添加物協会の谷口常務からは、表示・使用における留意点を説明され、県食の安全推進室の辻室長からは、県民の安心確保にむけての取り組みを紹介されました。
閉会の挨拶として大塚会長より、「食の安全・安心に関する的確な情報を発信し、消費者の判断力を高めていくことにより、食の安全・安心を醸成していきたい。」と結ばれ、閉会しました。