藤井 なるほど、「森の時間」ってすごい言葉ですね。 さて、戸田さんですが、去年滋賀県で「海づくり大会」があった時、天皇が「五十年前にブルーギルを私がシカゴから日本に持ってきました。当時栄養状態が大変悪いので栄養の足しに」というふうにおっしゃっていたのですが、その時に湖人が「外来魚は今まで全部肥料にしていたけれど、やっぱり食べないといけないんだ」というふうに動いたという話を聞かせてください。 もう一つは、さっき「酸欠」の話がありましたよね。本当にびわ湖の魚は死んでしまうのか。今びわ湖の魚はどうなっているのですか。魚の行動など含めて、私たちが知らないようなことを是非教えてください。 戸田 僕はあの時漁業青年会で、ナマで聞く場所にいさせていただきました。天皇陛下の「私たちがブルーギルを持って帰ってきました。心を痛めています」というお言葉は確かにありました。ありましたが、マスコミはそればっかり取り上げている。でも、その後に「日本国民の食べられる魚だと思っていました」というお言葉が続いていたんですね。 で、私たち「漁業青年会」という気心知れた仲間で話し合ったんですが、「今な、滋賀県のお金使わせてもろうてるやん。ホンマに今県の財政って火の車。大変な時期やろ。その時期に使わせてもらってるお金で飼料、肥料だけつくっているってもったいないやん。なにかでけへん?」「今、災害緊急時の備蓄食料などの確保にいろいろお金がいるらしいやん」「わざわざ新しいお金じゃなくって、びわ湖に投入した外来魚駆除のお金で缶詰、加工品にしたら、県民に還元できるんと違うの」「新たな備蓄災害時の緊急なんたらかんたらのお金を投入しなくても、それが巡り巡ったら使えるやん。エエん違うのコレ」と言う仲間が出てきました。そして、福井県立小浜水産高等学校の中西先生をはじめ、生徒のみなさんに協力いただいて作ってみました。後で生協食堂の方でいただいてみてください。 算には、斜面の影響が入っていません。これに斜面の効果を入れてやると、酸素の減少は少なくなります。だから琵琶湖の斜面というのは、すごく大事だということがわかります。 |