第3回2012国際協同組合年(IYC)滋賀実行委員会が開催されました。
2012年6月28日(金)、滋賀県農業教育情報センターにおいて、第3回2012国際協同組合年(IYC)滋賀実行委員会が開催されました。
小池委員長(2012国際協同組合年全国実行委員・滋賀県立大学名誉教授)、水原副委員長(滋賀県生協連 会長)、滋賀県漁連、JA滋賀中央会、近畿ろうきん滋賀地区統括本部、全労済滋賀県本部、滋賀県勤労者住宅生協、甲賀森林組合、滋賀県職員生協、コープしが、滋賀県生協連より19名が参加されました。
開催挨拶として小池委員長より、全国的な直近の状況として、鹿児島県では自治体や大学・企業からなる「鹿児島県小水力利用推進協議会」が、2017年度までに県内約40箇所に用水路などを利用した小水力発電施設を設置すること。中国地方では既に同様のプロジェクトが稼働し、中でも広島県のJA庄原では十数カ所の小水力発電施設を稼働させていることなどを紹介されました。また、今回は甲賀森林組合の活動報告に期待し、協同組合デーの記念講演会のテーマ、要領の確認など、引き続き活発な議論と、IYC実行委員会へのご参集をお願いしたい旨を述べられました。
今回の活動報告は、甲賀森林組合の堀参事より、パワーポイントのプレゼンテーションにより報告されました。その要旨は以下のとおりです。
①「甲賀森林組合 JForest甲賀」の概況と、滋賀県の森林面積は県土の約半分を占めていること。
②森林は多面的機能(水源のかん養、防災、温暖化防止、木材の供給)により生活環境を守っていること。
③日本の林業の現状と、木材の自給率低下による森林への影響と林業の経年変化について。
④木材の自給率の低下で引きおこされた問題(木材価格の低下、後継者不足、過疎化・限界集落、森林の荒廃と土砂災害や環境問題)について。
⑤人工林のうち手入れが必要な森林9齢級(45年生)以下は64.3%あり、間伐の対象となる森林(3~9齢級)が62.2%を占めている。また甲賀地域の人口林率は54%(県内比率は43%)と高いこと。(1齢級=5年)
⑥植え付けから伐採、搬出までの過程と、枝打・間伐、獣害防止対策などの健全な森林を維持するための手だてについて。
⑦搬出材の集積から、樹種・長さ・太さの仕分けと市場出荷までの工程について。
⑧森林組合の役割と仕事について、施行計画(森林の手入れの計画)・作業の実施・補助金の申請などの「必須事業」と、製材加工・販売・治山工事・機材販売などの「任意事業」について。
⑨木質エネルギーの利用として、製材・建築端材は木屑ボイラーを使用して事務所の暖房や乾燥機のエネ
ルギーとして循環利用していること。
⑩結びとして、「木材を使うことが森林を守ることにつながる。」「健全な森林整備が環境保全につながる。」「林業という経済活動が活性化することで地域社会が保たれる。」をアピールされ、国産材の需要が高まり、機械化による若者の新規参入が増えていることなど、林業への追い風と市場に打って出る必要性を強調され、報告を締めくくられました。
□ 2012国際協同組合年記念企画「滋賀・国際協同組合デー記念講演会」の開催
と き: 7月 31日(火) 10:00~12:00
ところ: 滋賀県農業教育情報センター(大津市) 大ホール(200人収容)
テーマ:「市民・地域主導による再生可能エネルギー普及」
~安全で持続可能な社会にむけて~
講 師:和田 武氏(日本環境学会会長)
閉会挨拶として副委員長の滋賀県生協連 水原会長より、「甲賀森林組合さんの報告にもとづき、住宅生協さんとの連携のきっかけとなれば、2012国際協同組合年として国連が期待する“連帯”であり、組合員間を超え、協同組合間の“包括性”も発揮される。この実行委員会への結集を機に、協同組合としての価値やエネルギーの提供モデルがつくられることに期待したい。引き続き協同組合の可能性を追求するために当実行委員会へのご参集をお願いします。」と述べられ閉会しました。
□次回(第4回実行委員会)の開催予定
日 時: 9月 20日(木) 10:00~12:00
場 所: 滋賀県農業教育情報センター 3階 会議室