滋賀県生協連ニュース No.8 (2006.12.15) |
厚生労働省の「生協制度見直し検討会」は、8回にわたる検討会を経て、検討会としての「中間とりまとめ」として「生協制度見直しについて」を公表しました。生協連はパブリックコメントを提出しました。 |
滋賀県生協連ニュースNO.7でもお伝えしましたが、厚生労働省内におかれた「生協制見直し検討会」は、7月21日の第1回生協制度見直し検討会が開始され、7名の検討会委員の元に論議が進められてきました。11月22日の第8回生協制度見直し検討会を経て、検討会の「中間とりまとめ」として「生協制度の見直しについて」を公表しました。 そして、この案件に対するパブリックコメントが11月29日~12月12日まで募集されました。 今後のスケジュールでは ◇12月25日 「生協制見直し検討会」の最終とりまとめ報告 ◇07年1月~2月 生協法改正案の与党審議、3月閣議決定、国会提出 ◇4~6月 生協法改正案の国会審議、採決→法改正 という流れで進む予定です。 そういう意味では、11月22日の第8回生協制度見直し検討会を経て公表された「生協制度の見直しについて」の内容はきわめて重要な内容となってきます。私たちが要求してきた大きな要点は下記の内容です。 ●理事会・代理理事制の法定等、ガバナンス(運営)関連諸規定の整備 ●地域・職域区分と県域の撤廃 ●員外利用禁止の緩和(20%まで) ●契約者保護や経営の健全性確保等、共済関連規定の整備 これらの見直し内容がどのようになったのか。また、それに対する日生協の見解は、以下のpdfファイルをご覧ください。 >>『生協制度見直しについて』(生協制度見直し検討会・中間とりまとめ)への見解 >>『生協法改正要求案』と『生協制度見直しについて(中間とりまとめ)』の項目別比較 滋賀県生協連は、下記のパブリックコメントを厚生労働省/社会・援護局地域福祉課内 生協制度見直し検討会・事務局宛に送付しました。 「生協制度見直し検討会 中間とりまとめ」に対する意見 平素より生協指導へのご尽力に対して敬意を表します。 厚生労働省の社会・援護局長の下に設置された「生協制度見直し検討会」は、7月21日の第1回生協制度見直し検討会を皮切りに、この間精力的に進められ、11月22日に開催された厚生労働省・第8回生協制度見直し検討会において「中間とりまとめ」として『生協制度の見直しについて』が提出され、広くパブリックコメントを募集されています。 標記の生協制度見直しの内容が直接的に影響する滋賀県生活協同組合連合会として、下記の内容のパブリックコメントを提出致します。 記 1.全体について 消費生活協同組合法(生協法)は、1948年の制定以来、半世紀以上にわたって実質的な改正がほとんど行われておらず、社会・経済状況の変化や生協自身の発展に伴って、今日的な生協活動の現実と法律との間に大きな齟齬を来しております。そうした状況に対し、今般貴省が「生協制度見直し検討会」を設置し、生協法全体にわたる改正検討に踏み出したことを強く歓迎するものです。また、貴省は、次期通常国会において法改正案の上程を目指しており、私たちは今日の社会経済に即応した法改正が実現するよう強く期待しています。 2.個別の内容について (1)共済事業における兼業禁止の導入の基準については、生協組合員の生活上のニーズに応える単位生協の総合性に十分配慮したものにして下さい。 共済事業に関する制度については、契約者保護と経営の健全性確保という共済事業の社会的責任に由来する制度整備と、組合員ニーズに応える円滑な事業の遂行のための両面から、現状に比べて前進した内容になっており、他の協同組合法の水準を考慮した妥当なものと言えますが、その中で、「規模が一定以上の共済事業を実施する」場合には、単位生協と連合会を問わず他の事業との兼業を禁止する方向となっています。兼業禁止となれば、現在の生協共済事業に加入している組合員は、別の法人に加入しなければならないこととなり、新たな出資金の拠出を含めて、現実的には大変な作業が発生します。経済的リスク遮断は理解できますが、上記の内容を導入する基準については組合員の生活上のニーズに応える単位生協の総合性に十分配慮していただきたいと考えます。 (2)員外利用については個別の具体的な許可制ではなく、法体系の中で「員外利用の許可される」考え方を明確にして下さい。 員外利用については、消費者が幅広く加入できる生協の特性から農協法など他の協同組合法とは違って原則禁止の枠組みを維持することになっています。そして、員外利用を認める場合を個別列挙するということになっています。しかし、「消費者の相互扶助組織という理念の中で、それに反しない限りで見直しを行うべきである」という形で考え方が示され、具体的には、員外利用を認める事由について法体系の中で明確にするとともに、個別の許可によらずに員外利用を認める事由についても拡大する方向が示されています。「許可により認めるもの」と「個別の許可なしで認めるもの」を区別する背景に「員外利用の許可、不許可の考え方」があるわけであり、その考え方が誰にでもわかる法文にされることをお願いします。 (3)員外監事の義務づけ付けについては一律ではなく、運用については弾力性を持たせるべきです。 生協のガバナンスに関する組織・運営規定については、理事会・代表理事制の導入、解散・合併の総代会議決、役員選任制度の導入、員外役員枠の拡大(員外理事枠を3分の1に拡大)、監事の権限整備、組合員の訴権の整備など、現在の生協にふさわしいガバナンスのあり方を実現する上で大きく前進した内容になっています。その中で、員外監事に関して、経済事業を行う生協・連合会のうち一定のものについては員外監事の設置を義務づけるとなっています。「一定の」という範囲については、今後の検討にゆだねられていますが、中小規模の生協に無理のないよう、実情にあわせた運用にするべきと考えます。 |